コーギーと永遠に過ごす【DM後期とその後】

こんにちは、管理人です。

今回は短期集中連載の最終回、変性性脊髄症(以下:DM)と闘うコーギーさんの終末期について記事を投稿いたします。DMとの闘いの終焉はほとんどの場合は「落命」という悲しい結末になってしまいますが、そこに至るまでは飼い主様の優しい手によって極力遠い未来として導かれることを願ってやみません。
DMの闘いを終えた飼い主様で未だ気持ちが沈んでいたり、いままさに介護の最中で今後が不安な方などは多少なりとも心を揺り動かされる表現も出てまいりますので、気持ちの準備が整わないと感じる方はいったんこのページを今この時点で離れることをお勧めします。

まずは当サイトで投稿を行った終末期に起きるであろう事象に関する記事を紹介させていただきます。


病状が進行し前足まで自立する力を失うと車いすに乗っているとき以外は必然的に「寝たきり」の状態となってしまいます。自発的な寝りを打つ能力を奪われると同じ姿勢を続けてしまうことで体圧が一点に集中するため、介護ではよく起きる「床ずれ」(褥瘡)が発生します。この問題に対していくつかのご提案をさせていただいております。

自発的な移動ができないということは、生命を維持するため誰かに助けを乞う必要があります。人間は人間における一定のサイクルである程度は制御できるところもありますが動物ですと本能のままに要求が起きるので、人間の生活サイクルなどお構いなしに何らかの要求が行われます。代表的な例が「夜泣き」です。人間であれば言語が通用しますので意思疎通が速やかに行えますが相手が犬さんということですと意図のくみ取りに苦労をすることが往々にしてあります。
これはコーギーに限らず(ヒトを含め)老いた動物全般に起きえる現象とも言えますが、管理人の体験を基に対象をコーギーに絞って記述しています。


おいしいところいただきますよ

不慣れの連続、寝たきりコーギーさんの介護

たとえこのサイトを事前に読んでいてある程度の対応策や知恵を身につけていたとしても、実際の常時介護という現状に直面すると戸惑いや得ていた情報との相反、個性による対応の難しさが必ず出てきます。寝具の合わせ方や好みの体勢、食事のタイミングやご機嫌伺い、寝ていても起こされる「夜泣き」の対応など飼い主様の生活様式が一変するケースすらあり、心身が疲弊することで人間関係での軋轢なども起こりえます。
過去にDMを看取った経験のある飼い主様でも「あの時はこれでうまくいったのに」と戸惑うこともあると思います。家族の一員としてともに過ごし分かり合えていたつもりでもコーギーさんの性格が変化したりすることもあります。管理人も何度となくロンさんに寝たきりの状態から指を嚙まれたりしています。自立できないとはいえ人を傷つける武器は備わっているので「なんだか怒りっぽくなった」と感じた場合は手袋を装着するなど危害を受けないようお気を付けください。
また終末期になるとコーギーさんと共に飼い主様も神経質になることがあり心の制御が難しいこともあります。最期が近いと気にするあまり飼い主様の精神が先に壊れてしまっては元も子もないので、そんなときは「コーギーさんに対する恩返しの時間だね」と何度か呟いてまだ元気だったころのコーギーさんの写真を眺め「ありがとうね」と心で思ってください。

ユキヤナギは毎年いい匂いなんですよ

4輪車いすはいつでも衛生的に

車いすが4輪へ移行するとメンテナンスが少しだけ煩雑になります。そしてコーギーさんが車いすに触れる箇所が増えてきます。雑菌などが入り込まないようお散歩帰りにコーギーさんを横たえたらできるだけ車いすのメンテナンス、特に消毒を行ってください。土のある個所を通った時にはウェットティッシュ等で砂や泥を払い落としてから消毒を行うことをお勧めします。折しも新型コロナウイルスの流行で消毒薬は比較的簡単に手に入るようになりました。いつも使い慣れている人間用のもので問題ないと管理人は考えています。
そのあと横たえたコーギーさんに車いすが接触した箇所に摩擦の影響による異常がないか等のチェックを忘れずにしてあげてください。床ずれと同じ性質の現象と言えるので「一点が人間のつむじっぽくなっているところ」が見つかったら危険のサインなのでその部分の圧力を分散させるための方策を講じてみてください。
DMと闘う上で車いすとの付き合いは切り離せないものだからこそ大切に扱ってください。車いすの製作所ごとに特徴は異なると思います。気になる点で製作所様のサポートを受けることができればより良い車いすライフが送れるのではないでしょうか。

あしたもきっといいお天気なんですよ

定期的な検診を

自立する能力が絶たれると老化も急激に進行します。免疫力も低下します。我が家のロンさんの最期はDMではなく乳腺種が悪性に変化したことによる感染症でした。若いころは平気で食べていた牛系の食物にアレルギーが出たりもしました。このような実例もありますのでできるだけ短期間での定期的な検診をお勧めします。寝たきりになると薬を投与することも多くなり内臓への負担が増えてきます。最近の動物病院では血液検査の履歴を残して異変を察知することが可能なところも増えてきました。またマッサージはいつでも有効なので抱きかかえたついでに、しこりなどがないかの触診は飼い主様の手でも可能です。
Twitterで拝見するとお灸も有効なようでこれには管理人も驚かされました。神経系へ直接刺激を与える行為ですから効果はてきめんに出る可能性もあるでしょうね。

予兆の察知と覚悟

我が家のロンさんは急性の感染症だったため直接DMでなくなるケースを見ることができませんでした。末期は呼吸困難が常に伴いますので腹ばいで息苦しそうにし始めたら余命いくばくもないという予兆と捉えてよさそうです(あらゆる動物病院のHPで確認)。とはいえそこから1年がんばれるコーギーさんや一気に衰弱が始まり命を落としてしまうケースも拝見しています。いずれにしても最期は飼い主様の腕の中で闘いを終えさせてあげたいというのが管理人の願いなのですが、そこを叶えるにはタイミングに従わざるを得ない部分は拭えません。
この記事を書く前提として常時付きっ切りの飼い主様を想定しておりますが、夫婦共働きであったり単身であったりどうしてもコーギーさんを一人にせざるを得ない場合にはペットシッターの利用もご検討ください。以前にも書きましたが信頼できるご近所の犬友達様であれば合い鍵を作り、寝返りひとつさせてもらうだけでも耐久出来る時間を倍にすることができます。床ずれの発生は生命を縮める可能性もあるため、できれば3時間以内にコーギーさんの元に誰かが戻れる状態を保つことが理想です。
そして最期を迎えたその時にはまず大きな悲しみがやってきますが、解き放たれたという感覚も起きるだろうと思っています。「もっとなにかうまくできたんじゃないか」という後悔の念はきっと出てくるでしょう。
ただDM介護に100点満点はあり得ません。あまり自分を責めず眠るように横たえているコーギーさんとの日々を思い返しながら、わずかずつでも良いので遺された飼い主様はまた次の時間を刻んでください。


思い出は永遠に

日々が過ぎるうちに頬を伝った涙は乾いていくでしょう。その日からの飼い主様は虹の麓で待っているコーギーさんの思い出を胸に抱いて毎日を過ごすことでしょう。共に生きた日々が永遠(とわ)に生きる日々に変わります。自分が生き続ける限り共に過ごしたコーギーさんとの日々もまた生き続けます。それが糧になったり、重荷になったりすることがありますがそれはコーギーさんでなくても起きることであり、人が生きていく限り避けて通ることのできない関所のようなものだと管理人は思います。
綺麗でもなく汚くもなく、ごく自然に生きていれば不意に訪れる道の起伏だったと、走り疲れて後ろを振り返って「確かにあの子は自分の元にいたんだ」と激しく胸の内を突き上げる感情が沸き起こる瞬間にも耐える被膜がきっとできています。それは誰かが作るのでもなく時を経ることで自然と出来上がるようになっているように感じます。たとえスマホのバックアップが消えても飼い主様の脳裏には元気に走り回っていたコーギーさんは容易に思い浮かべられるでしょう。その姿で笑顔になれる日がきっと来ます。
「時間は止まってくれない」とはよく言われますが、実は止まってくれない方が良かったりすることもあるのです。

ご主人を食べてお腹にいれるんですよ

おわりに

これにて一連の短期(?)集中連載の記事を終えることとします。今後はまたDM治療の情報であったり管理人の私見であったり、新しい車いす製作所さんの情報があればメンテナンスしてまいります。今のところで管理人としてこのサイトでできることは残り少ないと考えていますが、もし「こんなことを書いてほしい」というリクエストがありましたらTwitterの定期配信などお気軽にリプライください。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

コーギーさんと健やかに

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