コーギーと共に過ごす【発症後1年間は】
こんにちは、管理人です。
今回は変性性脊髄症(以下DM)発症後から概ね1年間で起きる変化やDM闘病を支えるための方策をご提案させていただきます。なお。DMそのものは平均して3年程度で末期となり命を落とすと言われております。
そのうちの前1/3を穏やかに過ごすにはどのような手立てがあるのか経験談や皆様のtweetを参考に書かせていただきます。
散歩の難しさが増す
発症直後は少しバランスを崩す程度で四肢での自立が可能であればギリギリまで自力での散歩をお勧めします。コーギーさん本人はあまり自己の病変に気が付かず歩けてしまうのでしばらく流れに任せましょう。
そのうち後ろ足が立たなくなり前足だけで下半身を引きずるような歩き方へと変化します。その時には自立歩行ので助けとなるハーネスを腰に巻くなどの対策と後ろ足の制御が利かなくなるので散歩で外出した際には爪先に傷をつけないための対策を行うと良いでしょう。
ペティオ・歩行補助ハーネスL(Amazon)
以前はこのような補助具で散歩の際後ろ足の支えを行っていましたが、体重のバランスを取ることが非常に難しく、できれば家の中で装着し飼い主様ご自身で歩行の訓練を行う必要があります。コーギーさんも体重によっては女性一人でも支えきれない重さになってしまうと排泄時の処理でコーギーさんを一時避難させる必要があるなど、とにかく散歩で苦労することが多くなります。
今では以下のようにお腹回りから包み込むような製品もあり、こちらをお勧めしたいとは思います。多分ロンさんの闘病時にこれがあったら購入していたでしょう。
排泄自体は飼い主様がそれまで培ってきた癖を察知することでハーネスを付けた状態のままでも可能です。自立できず宙を舞っている状態では後ろ足でもパタパタ動く(とてもかわいい)ので女の子のコーギーであれば両足を開くことができます。男の子なら片足を上げようとする動きを見ることもできるでしょう。
草の香りも悪くないですよ
屋内での行動にご注意を
発症後後ろ足が麻痺してしまっても本人はいたって元気です。前足で踏ん張って下半身を引きずったまま移動してしまいます。気を付けたいのは屋内でも下半身を擦ってしまうことで尿道口などに雑菌が入り込み炎症を起こす恐れもあるということです。闘病が始まって自己の力で移動が可能な状態はこのあたりで終焉を迎えますので、飼い主様はできる限り衛生面で注意深く見守ってあげてください。
お水を飲みますよ
右の後ろ足が投げ出され不自然な状態になっているのがお分かりいただけると思います。本人はこれで立てていると勘違いしていると感じました。動けるうちに動かすことはリハビリ的な側面があり一概に悪いこととは言えなくもないのですが、飼い主様の目の届く範囲で遊んであげてください。上半身は信じられないほどの力が残っているのでヒモの引っ張りっこだったり、ぬいぐるみを噛ませてあげたりと犬としての本能を充足させることが大切なのではないかと思います。
この時期ではコーギーさんが這いずり回る領域を常に清潔に保っておくことが穏やかな日々の基礎となるでしょう。
早めに車いすの想定を
散歩が一人の手では困難となったとき、もしくは飼い主様が見て限界であると感じた時は車いすの導入をお勧めします。レンタルでもOKですしオーダーメイドの一品ものでもいいでしょう。最も良いのは症状の進行に合わせてカスタマイズが可能なものの方がコストパフォーマンスでも生活水準の維持という面でもお勧めしたい選択でございます。車いすの選び方については以下の記事もご参考にどうぞ。
関連記事:コーギー向け車椅子、既存製品を評価
オーダーメイドでの車いす購入をお考えの方は各地に散らばった車いす工房の所在地を集めたリンク集を設けてありますので近隣の工房をお訪ねください。できる限り飼い主様が現地に赴いてフィッティング、試乗を行うことをお勧めします。
現在、当サイトでは北海道と四国地方の車いす工房の情報が不足しております。もしご存知の方がいらっしゃいましたらTwitterのリプライで構いませんので情報提供を是非お願いいたします。
車いす生活が始まった頃からについては次回からの記事とさせていただきます。
余談
本当は今回この領域に「鈴木一労を名乗る理由」をのんびり書く予定だったんですが急遽変更に。22日にネットニュースで「好きな犬種のランキング」なるものが発表になりコーギーが堂々の1位を獲得するという結果だったことを知りました。管理人は直感的に「まずい」という気持ちが先走りました。どの犬種が1位であっても多分「まずい」と感じたかもしれませんが、これがペット業界界隈の戦略でないことを祈っています。力の限り言っておきたいこと、それは「命にブームなどあってはならない」ということです。
ポケモンの「ワンパチ」が非常に人気が高くコーギー好きの方が挙ってワンパチグッズを買い求められる話題を見ますがそこに問題はありません。これが生体となると話は異なりシベリアンハスキーやチワワ同様の悲しい出来事が繰り返される予兆を感じています。
生体販売業者やブリーダーがここを商機と見てコーギーが今以上に増え、この遺伝病の悲劇も知らないままに発症後、保健所に送られるという光景は見聞きしたくないのです。経済的理由や単身が中心の生活様式から見てもDMを発症したコーギーを保護犬として迎え入れる方はごく僅かだと思われ、そこに危機を感じます。
何度でも言いましょう。「命にブームなどあってはならない」のです。ワンパチブームは良いのですがコーギーブームという言葉を聞いたとき、皆様はどうお考えでしょうか。