【コーギー介護】食べる、飲む、出す
こんにちは、管理人です。
短期集中連載を自分で読み返してみて、不足している大事な部分が抜け落ちていることを補足する必要があると感じた内容を記事として投稿します。
動物が命をつなぐうえで必ず起こること「栄養の摂取、水分の補給、老廃物の排泄」、これが基礎になるだろうと考えています。
短期集中連載では介護に重点を置いて快適さを求める内容を色濃く記述していましたが、本来は上記の3点が整っていないと成しえないものも多くあります。
今回はそんな基礎の部分について管理人の体験や知見を元にご提案させていただきます。
食べる
コーギーさんはほかの犬種と比較してやや食いしん坊であると考えられていますし、管理人自身も実際にそうなのだろうと感じます。寝たきりになってしまった後では偏食気味になったり毎日の食べる量がまちまちだったりと飼い主様は気をもみながら共に過ごす毎日にご苦労されがちです。
動物にも心がありますから気分の乗らない日や機嫌の良い日悪い日があって当然です。まずはこの点を念頭に置くと対応の際に心が軽くなるでしょう。そして寝たきりの状態で常に食べ物を「与えられている」状態が続くとコーギーさんの中で「飼い主が自分より下だ」と家族という群れの中で上下関係が逆転してしまうこともあり得ます。コーギーさんは(犬の種類中でもとりわけ)賢いので、叱れば理解しますので「わがままが過ぎる」と感じた場合には厳しく接することも必要になってきます。ただ、物理的な懲罰だけは行わないでくださいね。恐怖による支配は良い結果を生みません。
ごほうびおやつは格別なんですよ
犬は基本的に肉食ですからお肉を進んで食べるでしょう。しかしながら咀嚼する力や飲み込む力は徐々に衰えていきます。お肉のあげ方や素材にも工夫が必要になってきます。我が家のロンさんは自立できなくなってしばらくは通常の食事(ドライのドッグフード)でも問題なく食べてくれました。最期までこフードは活躍してくれましたが寝たきりになると室内での運動量がほぼゼロになりますので、食べ過ぎによる肥満に注意する必要が出てきます。そこで我が家ではロンさんの好物の一つであったキャベツを小さくざく切りにして混ぜ込むことで量を嵩増しして満腹感を得てもらっていました。
運動量がなくなれば食欲は落ちるでしょう。コーギーさんは元来運動能力が高いので寝たきりになる前ほどの栄養を暫くは欲するとは思いますがここは飼い主様がコントロールする必要があります。動物病院に定期的に通うようになれば体重の計測は必ず行いますから体重の増減を気にかけながら、定期的な食事と気分転換のおやつの分量をお考え下さい。寝たきりになると丸一日何も食べたがらない日が出てくるものですが、1日程度なら問題ないと管理人は考えています。長く続くようならフードのあげ方や素材そのものの変更を試してみることをお勧めします。
一概に「肉」といっても鶏、豚、牛はおろか羊や馬など多種にわたり、それがコーギーさんにとって良い刺激なることが確実にあります。
今かかりつけの獣医師様は食欲のない場合の対応策の相談で「自然界にあるもので人間が食べられるものの殆どは犬猫も食べていいので(添加物や香料が入ったものと禁忌すべき物以外は)食欲の出るものであればどんどんあげてください」とご指導いただいています。膵炎を起こしその先生の指導で一命をとりとめたみこちゃんも
おかげさまで楽しく過ごしているのじゃ
食べない日が続いた時の対応策ですが、個体差やこれまで与えてきたフードによる影響も大きく広範囲にわたる解はなかなか求められないです。一つ大きなヒントとしては「果物」や「香りの良いもの」をアクセントに加えることで解消できることが多いようです。これまでの経験則でも新たな発想でも構いません。素材が不発でも人間が消費すれば済む話なので、思いついた候補は随時試すことをお勧めします。さらに日によって変わることもあるので、すぐに諦めず時間をかけて適切に切り分けを進めることが良いのではないでしょうか。
それで喜んでくれれば儲けもの「これを食べると次はあの好きなものがもらえるかも!」と本来食べなくなったフードの摂取へつながることもあるので、それこそ文字通り「エサ」としても活用が可能です。
様々な環境によって対応策も変わってきますが、共通する目安は「体重管理」と言えそうです。
飲む
「食べる」ことである程度の水分を補給することは可能ですが、当然に発症前のように水分の補給は必要になるだろうことは飼い主様の皆様も想像に難くないでしょう。とはいえ寝たきりになってしまうと自発的に水分を得ることができなくなってしまいます。動けないことで精神的にも不安が募りますし、身体的にも暑い時期、乾燥する時期には水分の補給はこまめに行いたいところです。
しかしながら寝たきりの上体を起こして飼い主様が水分を与えるというのはコーギーさんとの息が合わないとなかなかに難しいです。それでも生命維持のために水分補給は常に行わなくてはならない大切な行動。寝たきり初期であれば水の入った容器をコーギーさんの傍らに置くなど前脚から自発的に上体を起こすことができているうちはこの対処で問題ないでしょう。
ただ症状が進んだことで身体を十分に起こせなくなった時期は飼い主様の介助がどうしても必要になってきます。おとなしい性格のコーギーさんであればシリンジで給水という手段も楽に取れますが、容器から直接上体を抱えて水分を与えるというのは犬さんの普段行う水分補給とは大きく勝手が違うためかなりの困難を伴います。さらに食欲不振も手伝って水分の補給自体を要求しなくなることも想定されます。無理やりにでも飲ませてしまうか、動物病院で水分補給の点滴を打つなど異なる手段を考える必要があります。すでに寝返りも打てない状態であれば自宅で水分を点滴によって補うことも可能です。
「寝たきり」と一言で表してもどの段階の状態なのかで対処の方法が刻一刻と変化することを記憶の片隅に置いていただければと思います。付きっ切りになれない場合はやはり動物病院もしくは自宅にて点滴を打ってもらうことが一番安心なのかもしれませんね。
また水を飲む行為は精神的な安定をもたらしますので、コーギーさんから不安そうな様子を感じ取ったら水分を与えてみることをお勧めします。不安からくる口渇は得る水分が大量になりますので精神的に参ってそうだと感じ取れるのはその飲む量で判断も可能だと、人間として体験した管理人からのご注進でございます。
夜泣きの対処にもなりえますので水分補給は早い段階で考慮しておいて損はありません。
また果物は水分補給の要因でも非常に有効なので代謝を促す意味でも好物になったら水分として与えて良いと考えています。
おさんぽで飲むお水はとってもおいしいんですよ
出す
いかなる動物においても、栄養以外の物質や必要以上の水分は体外へ排泄する必要があります。人間においても同様ですがこの排泄という行為が実生活の中で厄介なものと思われがちです。我が家のロンさんにおいて、おしっこは散歩の際にほとんど出し切り大便は室内であればそのまま排泄かおむつで日々の生活を営んでおりました。
寝たきり当初は強気なロンさんからはありえないほど弱気な「フンフンフンフン・・・」という鼻声の直後、大便がコロコロっと出てきたのです。この時初めておむつの必要性を感じました。加えてロンさん自身の尊厳にも傷がついてしまったらしく「粗相をしてしまった・・・」という悲しい表情をしたのを克明に覚えています。大切なのはそれがこれからも必要なことであるとロンさんに認識してもらうことなので、優しく慰めてあげたあとには思いっきり褒めてあげました。これからは同じことが繰り返されます、コーギーさん自身がその排泄が恥ずかしくないことだと理解してもらうために必要な過程だと考えての行動でした。その日以降、おむつがない状態で大便を出しても大喜びで褒めましたしロンさんも恥ずかしがる意識が小さくなりました。
副作用として、大便を散歩中でも構わずしてしまうので気が付くことができず処分できないまま放置してしまうことです。管理人はロンさんが存命時には集合住宅の2階に居を構えていましたが廊下が長くその中で大便を放置してしまい、恥ずかしながら当時の管理組合会長から指摘を受けた経験もあります。車いすで、特にベルトで引くような状態になった時には時折背後を振り返り排泄の有無を注意深くご確認ください。
おしっこのほうは家内が「圧迫排尿」という処置を身につけてくれたことで雨で散歩に出られないときなどは室内でも大きめの洗面器に排泄させることで事をしのいでいました。「圧迫排尿」というのは膀胱を外部から物理的に締め付けることで強制的に排尿を促す処置を指します。今では動物病院でも学べることに加えYouTubeでも動画が出ていることが多くその合わせ技で身に着けるということも可能となりました。
排尿を我慢させてしまうと膀胱炎の原因になりえ、かつ徐々に漏れ出すことで尿道口が不衛生になり感染症の遠因にもなりますので寝たきり初期は大便よりは目に見えづらいおしっこへ配慮の比重を置くとよいかと。ペットシッターさんであれば技術があり直接コツを教えてもらえる可能性もありますのでそちらもご一考されては如何でしょうか。「圧迫排尿を教えてくれるシッターさんいませんか?」と聞いてみたり動物病院で実践してもらうとわかりやすく個体の特徴もつかめるでしょう。
もちろんおむつで大小便ともに排泄することが可能となればそれも一つの有効な手段です。気を付けたいのはコーギーさんの体型上あまりおむつに向かないお尻なのでズレたり横漏れをしていないかなどのチェックは随時行ってください。最近はしっぽ付きコーギーさんも増えまして、それがおむつのズレ防止になることも多く断尾はこういった側面でも余計な施術だと管理人は思います。
おしごとおわったのでくたびれたんですよ、、(終身段ボール破壊大臣)
おわりに
このサイトでの繰り返しですがDMコーギーさんの介護は試行錯誤の連続であり、100点満点はあり得ません。「ああすればよかった」「もっとうまくできたのでは」と後悔が付きまといますが、それは過ぎたことですのであまり悔やまないでください。人間も心身のリズムや情報不足や勘違いがある以上は最善を尽くせない時もあって当然です。
今では対処に思い悩んだ時にはTwitterやインスタグラムなどでアドバイスを瞬時に得られるありがたい環境になりました。たとえ失敗でも「このコーギーさんのためを思ってやったこと」に変わりなく、その行動は誤りではありません。それは傍らで身体を横たえているコーギーさんにもわかってもらえるでしょう。
好奇心旺盛なコーギーさんなので身体が動かなくても「遊んでほしい」という意思を持ちます。そんな時には思い切り遊んで楽しんでください。コーギーさんのストレス解消にもなりますし飼い主様は胸を張って介護を続けられるでしょう。飼い主様はきっとこれまで強い信頼関係を築いてきたのですからそれが突然崩れることはありません。
現在の時節、飼い主様ご自身が塞ぎ込んでしまう時期も多くあるとは思います。それでも飼い主様がいたからコーギーさんはこの日まで永らえることができたのです。その自負は自分を奮い立たせる見えない液体になります。いつ何時「その時」がやってこようと悲しみを薄めることにも使える魔法の液体です。
これであそんでくださいなんですよ
DMコーギーさんの介護が苦しいと今お感じの方は、大きく息を吸いコーギーさんの顔を見ながらゆっくりと息を吐いてください。少しだけ気持ちが軽くなります。苦しかったら管理人にリプライをくれても構いませんし、共有することで苦痛が和らぐのなら時間は惜しまないつもりです。
できる限りDMコーギーさんのお力になれればとお伝えしてこの記事の締めくくりといたします。