岐阜大学動物病院神経科に寄附してみた

こんにちは、YouTuber管理人です。
管理人はこのサイト開設当初からDM研究の最先端学術機関である岐阜大学獣医学部神経科様への寄附を呼び掛けてまいりました。

サイトをご覧の皆様からは実際に寄附を行ったという反応は得られていないのですが「隗より始めよ」という言葉に倣い、鈴木家から幾ばくかの寄附を行いまして、その手順とメリットについて詳細に配信します。鈴木家ではフリーランス収入世帯ですが給与収入を主とする世帯を仮定して記事を書き進めていきます。
岐阜大学動物病院神経科様がどのような研究を行い、どのような成果が上がっているのかという点につきましては以下の記事とリンクをご覧ください。

やんごとなき事情だから

確実に言えることは日が経つにつれ研究の成果は(外部の人間から見て)着実に出ていると感じています。
とはいえ関連記事でも触れていますが学術研究、とりわけ医療分野においての研究というものはすぐには収益につながらないため、常に研究資金確保という難題がつきまといます。加えて現在管理人の住む国では学術研究に関する予算を削減する意向を示しており、この時勢では当然のことですが資金のリソースは人間の命すら危ういのに犬の病気の研究には資金を回す余裕はない、という事情はさすがの管理人も斟酌しなくてはなりません。

ただ少し前に猫の衰弱していくのみの腎臓機能が回復できる可能性を発見したというニュースが広まると瞬く間に寄附金が急激に集まり、研究者様がついには東京大学教授の肩書を捨ててまでこの薬の研究に注力を始めるという稀有な事例がありました。

みこも期待しているのじゃ

コーギーと猫ではやはり及ぼす影響範囲が段違いですし、多数の寄附希望者が現れてもなんら不思議ではない。とはいうもののDM対策本部としてもなんとなくモヤモヤした感じがありました。常々当サイトはサイト運営に際し利益が出た場合はそれを寄付するという方針で運営しておりこれは今でも揺らぎません。
ただ僕自身の体調が不順なこともあり頻繁な記事の更新が難しい状況下にあって開設から現在まで経費を補うまでの収益をあげられていないのが現状です。それでもこんな折だから少しでも寄付をしたいという想いが強くなり、実行に至ったわけです。

ご主人は堪え性がないんですよ

金銭による寄附で得られるメリット

まず金銭による寄附を行うにあたり税制上のメリットが発生しますので、会計事務所勤務歴8年の管理人がご説明いたします。ひとまず国税庁と総務省のリンクを貼っておきます。



寄附金という形で思い起こされるのは最近ではやはり「ふるさと納税」。この趣旨は本来国税(所得税)にしか適用されなかった寄付金控除を地方税(住民税)にも適用させる形で実現されたものと言えます。
小泉政権時代に行われた税源移譲で国内納税者は支払う税目の中で住民税に占める割合が所得税よりも高くなるケースが散見されるようになりました。主な収入が「給与・賞与」にあたる方は毎月の給与明細を見て「住民税たっけーなー」という嘆息をよく耳にしますが、その住民税がどのように算出されているのかをしっかり説明できる方はごくわずかだろうと、会社員時代の肌感覚で思いました(この税源移譲は小泉政権の所得税と住民税の基礎控除額の差額を悪用した「隠れ微増税」だったことを知っている人もほぼいないでしょう)。
転職先の自己紹介では「会計事務所にいましたので税金や社会保険のことはご相談ください」が常套句で結構ウケます。程なく給料日が来ると数人の相談者が舞い込んできたものです。それだけ自分の給与明細や源泉徴収票の「読み方」をご存じない給与所得者が管理人の住む国には多いのです。
時の政府で納税者が得できることを税金を取る側である行政が能動的に教えてくれることは選挙前の宣伝以外ではまずありません。昨今あるコロナの各種給付金のように自分で調べるしかないのです。

寄附の申し出と寄附、確定申告で完結

手順の説明中において別段寄付先からの特定を恐れるわけでもないのですが、悪い人も世の中には多いので念のため最小限の画像を掲載します。

  1. 収入と所得と税額の違いをざっくり理解する
  2. よく耳にするこれら3つはそれぞれ意味が異なります。
    「収入」は本来何も差し引きされない状態で支給されるはずの総額を指します。企業やフリーランスで言えば「売上」にあたる部分です。「所得」は「収入」から控除されるべきものを差し引いた残額です。「税額」は「所得」に税法に則った一定の率を掛け合わせた収めるべき所得税もしくは住民税の額です。

    「収入額」ー「控除額」=「所得額」、「所得額」×「税率」=「所得税or住民税額」

    こんな感じに。所得税は所得額が高さに応じて率が大きくなるのに対し住民税は所得額に関わらず一律であるところがポイントです。なお「所得」の算出方法は所得税と住民税で異なり、住民税の方が控除できる金額が少ないため税額が高く出ます(これが税源移譲増税のカラクリです)。
    寄附金控除は所得税が寄付金額から2,000円を引いた額を「所得控除」、住民税が「税額控除」という形になりますが、注意していただきたいのは寄附が住民税額控除の対象にならない市区町村があるので事前に管轄の課税課などで確認を取っておく必要があります。

  3. 自分が納得できる範囲で寄附の申し出を行う
  4. まず認識しなくてはいけない点ですが厳密にいうこの寄附は巷の「ふるさと納税」に当たらないという点です。どこのふるさと納税サイトにも岐阜大学動物病院神経科様の項目はありませんし、地元の名産のような返礼品はありません。言い換えると「ふるさと納税」は単なる寄付金控除の延長上にあるものです。
    寄付金額の目安が決まったら岐阜大学動物病院神経科HP掲載(こちら)の神志那弘明准教授へメールを出すか病院へ電話で寄附の申し出を行います。
    税額控除に上限がありますので一気に多額の寄附を申し出てもメリットが薄まる点があります。前述の総務省ポータルサイトで目安の金額が確認できますが該当しそうな範囲を抜き出しましたので参考になさってください(注:給与所得者限定)。ただ多額の寄附を推奨しないわけでもありません。

    寄附を行う方本人の給与収入寄附を行う方の家族構成
    独身又は共働き夫婦共働き+子1人(高校生)共働き+子1人(大学生)夫婦+子1人(高校生)共働き+子2人(大学生と高校生)夫婦+子2人(大学生と高校生)
    300万円28,00019,00019,00015,00011,0007,000-
    325万円31,00023,00023,00018,00014,00010,0003,000
    350万円34,00026,00026,00022,00018,00013,0005,000
    375万円38,00029,00029,00025,00021,00017,0008,000
    400万円42,00033,00033,00029,00025,00021,00012,000
    425万円45,00037,00037,00033,00029,00024,00016,000
    450万円52,00041,00041,00037,00033,00028,00020,000
    475万円56,00045,00045,00040,00036,00032,00024,000
    500万円61,00049,00049,00044,00040,00036,00028,000
    525万円65,00056,00056,00049,00044,00040,00031,000
    550万円69,00060,00060,00057,00048,00044,00035,000
    575万円73,00064,00064,00061,00056,00048,00039,000
    600万円77,00069,00069,00066,00060,00057,00043,000
    625万円81,00073,00073,00070,00064,00061,00048,000
    650万円97,00077,00077,00074,00068,00065,00053,000
    675万円102,00081,00081,00078,00073,00070,00062,000
    700万円108,00086,00086,00083,00078,00075,00066,000
    725万円113,000104,000104,00088,00082,00079,00071,000
    750万円118,000109,000109,000106,00087,00084,00076,000
    775万円124,000114,000114,000111,000105,00089,00080,000
    800万円129,000120,000120,000116,000110,000107,00085,000
    825万円135,000125,000125,000122,000116,000112,00090,000
    850万円140,000131,000131,000127,000121,000118,000108,000
    875万円146,000137,000136,000132,000126,000123,000114,000
    900万円152,000143,000141,000138,000132,000128,000119,000
    925万円159,000150,000148,000144,000138,000135,000125,000
    950万円166,000157,000154,000150,000144,000141,000131,000
    975万円173,000164,000160,000157,000151,000147,000138,000
    1000万円180,000171,000166,000163,000157,000153,000144,000
    1000万円超割愛

  5. 申請書の返送を行う
  6. あまり方式は変わっていないと思うのですが、寄付の申し出のあとしばらくして東海地方の国立大学を統括する機関から寄附の意思を確認する申請様式が送付されてきます。
    記入すべき事項は特筆して難しいことはありませんので、必須事項と金額さえ決まっていればそれを書いて返送するだけでこの手順は完了です。
    この書類が学会機関の審査に掛かります。どういった頻度で開催されるかが不明ですが審査OKとなり振込用紙が届くまで長くて4か月待ちありそうなので年内に間に合わせたい、と今後お考えの方は当年の8月には申し出をしておく必要がありそうです。金額に最低基準があるとか、虚偽の申請ではないか、脱税の目的ではないか等、下衆の勘繰りでございますが、結果の返送が長引くのは学会の会議そのものが頻度が少ないから時間がかかるのだろうと勝手に想像しています。

  7. 寄附金の納付を行う
  8. 書類審査を通過すると申請書に記入した金額が記載された振込用紙が送られてきます。送付されてから1か月程度の納期限があるようですが目安とのことでした。

    最寄りの金融機関、郵便局、もしくは外出を控えなくてはいけない時期であればネットバンキングで振込もOKです。納付を速やかに済ませましょう。これで晴れて支払ったその年の所得に対して寄附金控除を行うことが可能となります。振込時の領収書、もしくはそれに準じるものは7年間の保存義務がありますので大事にしまっておいてください。

  9. 確定申告で寄付金控除を受ける
  10. 正直ここから先はまだ未知の領域なのですが、確定申告を行い寄付金控除の欄に記入を行うことになります。毎年確定申告をするフリーランス主体の鈴木家では簡単ですが、一般的な給与所得者の方でふるさと納税などの経験がない方はe-taxか管轄の税務署で紙ベースの確定申告が必要となります。毎年寄附を行う予定があればe-taxをお勧めします。スマホでもできるようになりましたし。毎年2月の声を聞くと会計事務所の職員は「またこの時期が来るのか・・・」と視線を下に向けます。
    明快な手順書のリンクを発見しましたのでご活用ください。簡単です。→ふるさと納税をされた方のための確定申告書作成の手引き
    住民税についてはこの確定申告の情報がそのまま各自治体に回るので税額控除の措置が受けられます(そのはず・汗)。


ご主人、お疲れ様なんですよ

おわりに

管理人が住む国はチャリティーの意識がそれほど高くなく、寄附という行為自体に不慣れなところがあるように思えます。また、ふるさと納税のアマギフ騒動のように究極的に自分への見返りを求める国民性を感じます。お金の使い方は人それぞれで管理人自身が口出しできる領分でないことは承知しております。「他人に寄附を求めるのに当の本人がやっていないではないか」と言われるだろうとも考えていましたし、この記事を書くことで手順の透明性も確保できる。何より自分が生業にしてきた8年間を他の人のために役立ててもらうチャンスでもあったので収益の実現を待たずに寄附の運びとなりました。フリーランスの方が社会福祉協議会からコロナの事業資金貸付返済の免除を受けたとき国税庁はおそらくそれを「雑収入として事業所得に含めて申告せよ」という通達を出すと思います。
(2022/06/01:追記)
社会福祉協議会は厚生労働省並びに国税庁へ貸付の償還免除を受けた際の受益を非課税とするよう陳情がなされていますが、国のやることなので依然不透明です。
(追記終わり)
また個人で飲食店を営んでいる方は仕入れがないにもかかわらず給付金が入り確定申告で起きる税金の対処に困るなど余剰となる所得が想定外に出ることもあると予想しています。フリーランスの方は月次給付金等で所得が上がれば住民税のみならずそれを基礎として算出される場合の国民健康保険料も急上昇します(ただしふるさと納税でも国保の減額はありません)。この記事を読んで心当たりのある方、もしくはそんな方が周辺にいらっしゃったらこの記事を共有していただけないでしょうか。2021年の所得はほぼ確定的で今からの対策は無理ですが「こんなやり方もあるよー」という選択肢として含めていただければ管理人として、元会計人として幸いでございます。
支払った寄附金はこのサイトの経費対象外として前払いの扱いとは致しませんのでご安心くださいませ。また記事中に誤り等ありましたら容赦なくご指摘ください。お金のことですので。
そしてロンさんからメッセージ。

お誕生日拡散運動のご協力ありがとうなんですよ(2016年13歳)

それではまた。

追伸:サイト開設当初からフォロワー様で闘病中であったコギさんが亡くなられる例を見る機会が増えてきました。サイトを開設して1年半経過しましたがDMはやはり辛い病気なのだなと感じています。無力感を味わうこともしばしばありますが、管理人が止まっていては意味がないと己を鼓舞しています。普通の犬さんでさえ散歩に気を使う今、思いついたことはできるだけ形に残し若いコギさんのその後の発症でも落ち着いて立ち向かえるようなサイトを目指します。

コーギーさんと健やかに

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