僕が見たロンさんの予兆
夕方の河川敷でいつものように散歩をさせていた、というよりは走り回らせていた、という方が適切でしょう。
ロンさんはとにかく走ることが大好きで僕の投げたボールをひたすらに追いかけては咥えて持ってくる。
これをしばらく繰り返すことが僕が散歩に出られたときのあたりまえの光景でした。
10歳になってもその勢いは衰えることなくいつもどおり黒い弾丸よろしくボールを追ってました。そんな折、ボールを咥えにかかったところで激しく横転したんですね。2回転くらいしたでしょうか。
家内も僕も大笑いで「ロンさん、なにやってんのー」と声をかけて収まりました。
ターンに関わる脚力がこれまでのボールトレーニングで強化され、激しい横転など見たことがなかったので大笑いこそすれ、それがDMの予兆であることに気が付くまでそう時間はかからなかったんですね。
数週間して、ロンさんの右後ろ足の動きに異変を感じるようになりました。
「足首が曲がっていない??」
本人は平気な顔で歩くのですが少し右後ろ足首の動きが悪く、爪先を擦るように歩く場面が増えました。地面を蹴った後で足首の戻りが悪いため爪先を擦り、ギリギリで足裏が地面につくという歩き方をするようになりました。
DMを発症した、どころかDMの存在すら知らなかった僕は家内が調べたこの病気の情報を知り初めて辛い現実を目の当たりにするのでした。
若かりし頃のロンさん(2003/8/22)
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