【漆黒の】ロンさんとの思い出2【弾丸】
さて、前回の続きです。ちなみにタイトルは河川敷でほかのワン友さんを追いかけまわしたり、ボールを投げて遊んだりしていた時のイメージを持ってきています。
思い返すと、本当に楽しかった日々だと感じています。そんな中でも指折りのエピソードをご紹介。
ロンさん、母になる
河川敷で知り合ったオスのコーギーさんをご縁があってたびたび会うようになってからというもの、ロンさんはそのコーギーさんにべた惚れしてしまいました。ロンさんとは対照的に寡黙で威厳のある「コウちゃん」というお名前のコーギーさんです。
僕はあまり目撃することがなかったのですが、家内から聞けばそれはそれはメロメロで、ロンさんはコウちゃんの顔を執拗に舐め回し愛情表現を続けます。ワン友さんの飼い主様全員が引くくらいよだれでべたべたになるまでロンさんはコウちゃんの顔を舐めるのです。それでもコウちゃんはどこ吹く風。でも少し迷惑そうだったと聞いています。
愛しのコウちゃん
一方的な片思いかと思いきや、ロンさんが2歳手前のヒートが訪れた時に交尾がなされました。コウちゃんもロンさんを見初めてくれていたんですね。そしてその交尾で見事に7匹の子たちがおなかに宿るという一発必中の事実がほどなくして判明しました。コウちゃんやるときはやる男。
さすがにおなかに子供を抱えて激しい運動は控えおなかの子を育み出産へ。友人のお手伝いもありましたが、1匹は残念ながら死産となってしまいました。6番目に出てきたこととロンさんの文字を一つ取り「ロク」と名付けて河原にてご供養させていただきました。
みんないい子に育つんですよ
ロンさんの育児は非常に甲斐甲斐しく、母として優しく子供たちを扱っていましたが、さすがに6匹の育児は疲れるのか仰向けのまま寝てしまったりもしていました。
もーしばらくお母さんはお休みなんですよ
残りの6匹たちは元気に育ち一時期にぎやかな我が家になったのを覚えています。僕が仕事から帰るとかまってほしいのかみんなそろって「ふぃん!ふぃん!ふぃん!」と興奮してくれます。ケージから出してあげるとそりゃもう大騒ぎ。管理人紹介での写真でもおなじみですがロンさんは育児の途中で2歳の誕生日を迎えこの写真を収めることになります。
お母さんは頑張ってるんですよ
里親を募集しすべての子たちは異なる地へと旅立っていきましたが、毎年我が家の近くの緑地で家内の呼びかけでお誕生日会を開くなど素晴らしい交流がありました。ただ1頭は遠方の京都に旅立ったためこの中に加わることはありませんでしたが、1度だけ再会を果たすことが叶い思い出深い日となりました。
ロンさんとの生活の中で指折りで楽しいひと時だったように思えます。
ロンさん、献血をする
まだ管理人が仕事に出ていられた時の頃、ある日中に訪問者がやってきました。同じマンションに住む犬を飼っているというご夫妻。聞けば飼っていらっしゃる犬さんが輸血が必要な緊急事態で輸血ドナーを求めて玄関先の「丸に犬シール」を見てインターホンを鳴らしたそうです。
瀕死の状態で体内の出血が止まらず、持っても後数日だというコッカースパニエルを血統とした雑種の犬さんでした。
「試しに血液型を合わせてみてくれませんか」
というお願いに、家内は快く応じ入院先である高度動物医療センターへとロンさんと共に赴きます。
犬の血液型は人間のそれとは大きく異なりABOどころではなく最低でも12種類存在し、細分化すれば星占い以上の数になってしまい医療センターでも適合する血液の在庫がなかったということなので、もはやダメ元で行くことになりした。
実際にロンさんの血液型を検査してみたところなんと「適合」、ほどなく輸血の手続きとなりました。訪れたご夫妻は非常に喜んでいたのを覚えています。
しかしながら実際のところすでに手の施しようがない状態になっており、数日経ってコッカさんはお亡くなりになったのですが輸血がなければその日にでも命を落としていただろうということで数日の延命ながら非常に感謝されたのを覚えています。
「やっぱりロンさん、持ってるねー」
と家の中では思わぬ幸運のおすそ分けで盛り上がったのでした。
たまにTwitterで「輸血をしてくれる犬さんを探しています」というリツイートが回ってきますが、僕はその血液型の複雑性を啓蒙するために気が付いた時には解説も交えて引用リツイートするようにしています。
これをお読みの皆様も周囲にそのような事象が起きた場合にはなるべく柔軟な対応をお願いしたいと思います。
幸せのおすそ分けはお任せなんですよドヤァ
ロンさん、お耳がチューリップになる
askichiさまのコミックエッセイをご覧の方はすでにお気づきかと思いますが、ある時を境にロンさんの左耳が欠けているのにお気づきかと思います。
これは河川敷にていつものようにほかの犬さんとかけっこをしていた時、たまたま気性の荒いケリー・ブルーくんに教育的指導をされてしまいその最中に耳をかみちぎられてしまったことが原因になっています。
ロンさんの犬生の中で「きゃうん!(参りました!)」と鳴いた最初で最後の時です。耳からは多めの出血が起きているにも関わらずロンさんはまだ追いかけっこをしようとするのをなだめて家内が急いで「あの」動物病院に運び込みます。止血、消毒と縫合の処置をすぐにしてもらい事なきを得ましたがしばらくはエリザベスカラー生活を当然に余儀なくされます。
迷子になっても探しやすくなったんですよ!(お気楽)
お相手の飼い主様は平謝りでしたが、いつもお世話になっている方でしたので特に咎めるでもなく引っ越し後も普通にお付き合いをさせていただいております。僕がこのお耳を「チューリップお耳」と名付けそのまま浸透しているので平和なものです。むしろロンさんの女傑ぶりに箔が付いたとも言えます。
昔、実家の柴犬がほかの人に噛みついてしまい治療費はおろか損害賠償まで請求されてしまったこともありますので、気性が荒い犬種の飼い主様はリードの扱いを十分に留意されてほかのワン友さんとの交流を行ってくださいね。
その後終生この耳をトレードマークとしてロンさんのキャラクターが確立されたわけですが、日常特に不便もなくロンさん自身も気にすることがなかったのでこれはこれで良しということに我が家ではなっています。
車椅子に乗るまでとにかく全力で河川敷を駆け回り、僕の遠投力を鍛えさせてくれたロンさん。今でも写真や絵に囲まれて生活をしていますが、時折さすがに寂しい気持ちにはなるときがあります。それでも眠っている時に遊びに来てくれるので虹の麓で元気に河川敷のメンバーで楽しくやっているのだろうと気持ちをなでおろしています。
おわりに
ロンさんの思い出は話せばキリがないですがお伝えしたいエピソードは以上となります。一部古い写真のため画質がイマイチなんですがご容赦ください。そして、今まさにコーギーさんと共にお過ごしの皆様、どんどん楽しい瞬間をその手元に残してください。僕は妙に記憶力が良すぎるため、写真をあまり撮らない性分なので非常に後悔しています。載せている素材はほとんど家内のカメラで撮られたものなのでこのようにコンテンツ化できていますが、文章だけでは伝えきれない温もりも一つの醍醐味ともいえるでしょう。
家族の一員がいる毎日が当たり前に感じてしまうとどうしても日々の感謝を忘れてしまいがちになります。家族を失ったあと、僕のように面倒なことにならないようぜひとも日常の断片をたくさん残してください。
お読みいただき、ありがとうございました。また次回以降DMに関わる記事へと軌道を戻すつもりでおります。
それでは。